公開日/2020.12.18 最終更新日/2020.12.21
レポート

大樹生命保険が取り組む、全国の営業職員に向けたチャットボット活用の軌跡 #OUC2020レポート

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10月14日に開催された「OKWAVE User’s Conference2020( #OUC2020 )」では、弊社が提供するサポートソリューション『OKBIZ.』を導入・活用いただいている企業様の事例紹介セッションをお届けさせていただきました。
そこで本記事では、事例紹介セッションより大樹生命保険株式会社様のセッションのレポートをご紹介いたします。

ご登壇企業: 大樹生命保険 様

■会社名: 大樹生命保険株式会社
■利用システム: OKBIZ. for AI Chatbot
■利用用途: 全国の営業職員に向けた社内問い合わせ窓口

全国に63もの支社を有し、営業職員を7,500名以上抱える大樹生命保険株式会社。10月14日にオンラインで開催された「OKWAVE User’s Conference2020 (#OUC2020)」では、対営業職員向けに展開しているチャットボット「OKBIZ. for AI Chatbot」の導入背景、活用促進における工夫、そして今後の展望についてお話いただきました。

FAQサイトが使われず、チャットボットを導入

大樹生命保険様は、2015年にFAQシステム「OKBIZ. for FAQ」を導入しました。営業職員が自らの疑問をFAQサイトで解決することで、各支社内の拠点担当職員や営業部長への社内照会削減、お客さま照会の即時回答を目的にしていたとのことです。

こまめにFAQの追加や類義語設定などを行い、FAQサイトの利用数は徐々に増加していた一方で、照会件数自体も増加していったことにより、「FAQサイトの操作方法がわからない」「検索してもヒットしない」という声が上がってきている状況でした。

そうした課題を解決すべく、

●営業職員にとって抵抗感の無いUIである
●FAQサイトよりも、導線の工夫がしやすい

といった観点から、2018年にチャットボットを導入。
2018年当初は、AIエンジンを持たないFAQ検索型のチャットボット「OKBIZ. for Chat & Bot」を採用されました。

利用状況を分析し、AIチャットボット導入へ

大樹生命社でのAIチャットボットの利用状況の推移を示すグラフ

FAQ検索型チャットボットを導入。ただ、チャットボットは導入しただけで効果を見込めるものではなく、それは大樹生命保険様においても同様でした。
公開当初はチャット形式のUIが珍しかったのか、かなりの利用回数が確認できたものの3ヶ月後には利用回数が低迷。営業職員に対しては繰り返し周知もおこなったものの、利用回数は微増に留まったとのことでした。

こうした状況により、一度はチャットボットの廃止も検討した大樹生命保険様。しかし、チャットボットの利用状況を分析した結果、設置箇所によっては有効に使われていることが判明したため、チャットボット自体の機能強化を図るべくAIエンジンを有するチャットボット「OKBIZ. for AI Chatbot」へ移行する検討を始められました。

また、チャットボットの利用状況を細かく分析する中では、営業職員の利用傾向を把握することができたとのこと。具体的には、口語表現での質問・投稿ではなく単語での質問・投稿が多かったため、回答候補が多岐に渡り相応しい回答を出せていない事実が浮き彫りになりました。
そして検討の結果、「自動聞き返し※」や「評価自動学習※」といった機能を通して営業職員が求める回答を提示することが見込めると判断し、「OKBIZ. for AI Chatbot」を導入されることになりました。

※自動聞き返し:OKBIZ. for AI Chatbotが有する機能。単語のみや、意味を持つ単語が1つのみの場合、探索精度を高めるためAIが自動で関連候補を提案。

※評価自動学習:OKBIZ. for AI Chatbotが有する機能。チャットボットが提示した回答に対する利用者からの評価を自動的に学習する機能。

ユーザービリティを考慮した導線設計

AIチャットボットの導線設置個所を説明する画像

「OKBIZ. for AI Chatbot」の導入にあたり、設置箇所について工夫をされました。
チャットボットの利用頻度分析、更には営業職員向けポータルサイトを利用する際の行動分析の結果を活かし、ポータルサイトTOPページにはチャットボットを設置せずに従来からある「FAQサイト」への導線を設置したとのこと。そしてチャットボットはというと、FAQサイト上で立ち上がる仕掛けを用意されたそうです。

この導線の意図は、各々の営業職員がFAQサイト、またはチャットボットの利用を自由に選べるようにする点にあります。というのも、目的はあくまで照会件数削減であり、チャットボット利用率の向上ではありません。FAQサイトの方が使いやすいという方もいれば、チャットボットの方が分かりやすいという方もいます。
自己解決チャネルの検討時には念頭に置いておくべき視点です。

他にも、図や表を用いた回答情報はチャットボット上で表現できないため、チャットボットのみで解決まで持っていくのではなく、詳細を確認したければFAQページへ遷移する、という仕掛けや、利用者の意見を収集するための専用のフォームを用意されました。
さらに、端末のログイン情報を認証連携させることでFAQサイトやチャットボット上での行動情報を横断的に取得し、誰がよく利用しているのか、検索キーワードから何を知りたかったのか等を分析し、各支社へフィードバックされているとのこと。今後は直接ヒアリングの機会を設けることも予定されているそうです。

先回りのナレッジ作成で、解決率は8割超に。

大樹生命保険様のチャットボット利用増を示すグラフ

前段のような工夫を取り入れ、2020年1月よりAI機能を有するチャットボットの運用を開始されました。2020年4月に利用数が急増し、その後も以前に比較すると利用数は維持されているとのこと。

そしてこの利用状況を維持している背景には、以下のような理由が挙げられていました。

利用促進の施策

各支社の業務遂行査定の1つとして、FAQサイト、チャットボットの活用率を追加し、利用状況に応じて表彰をする仕組みを用意されたとのこと。支社全体で取り組む形を作れたことで、各拠点での利用促進に繋げているそうです。

在宅勤務による業務環境の変化

また、緊急事態宣言に伴う在宅勤務化により、疑問点を周りに質問できる環境ではなくなった点が影響しているとのことでした。

なお、大樹生命保険様では、在宅勤務でのチャットボット利用増を見込んで

●新型コロナウイルスに関するFAQ
●Web会議システムに関するFAQ

先回りして用意されていたそうで、
結果として、コロナ禍においても「0件ヒット率※」は概ね10%以下で継続、解決率も80%ほどで推移していたとのことでした。

※0件ヒット率:チャットボットへ寄せられる全質問のうち、回答できなかった質問の割合。

大樹生命保険様によるAIチャットボットの評価

現時点でのチャットボットの評価として、大樹生命保険様は以下のようにまとめています。

1.チャットボットが自己解決のツールとしての認識が(営業職員に)浸透している
2.利用者が知りたいFAQを予め揃えておくことで、解決度はアップする

チャットボットの成功のためには、

●いかにチャットボットを活用してもらうか
●活用したチャットボットで自己解決できているのか

を継続的にモニタリングし、FAQも継続的にメンテナンスしていく必要があります。
大樹生命保険様においては、メンテナンス体制として、他業務との兼務で3名、見直し頻度は月に一度とのこと。また今後は、起動回数の増加や分析の時間の確保を課題として捉えているそうです。

さらには、今後の展望として、社内に点在する人事やシステム、商品などに関するFAQの管理を一元化し、チャットボットに質問すれば何でも答えが返すことができる仕組みの実現も考えているとのことでした。

大樹生命保険様は、FAQやチャットボットの利用状況分析や行動分析などを通して利用ユーザーの方々と真に向き合っているため、チャネル選定の経緯や導線設計の視点、支社全体を巻き込んだ仕組みの設計など、どれも非常に参考になる話ばかりでした。
今後の弊社開催イベントでも、大樹生命保険様にまたご登壇いただけるような機会を考えていきますので、今回イベントのご参加が叶わなかった方々におかれましては、次回開催の際に是非ご参加くださいませ。

この記事の執筆者

OKBIZ.ブログ編集部

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